【特集】カレー味のうんこを作る
「うんこ味のカレーとカレー味のうんこ、食べるならどっち?」
誰でも一度は耳にしたことがあるであろうこの究極の2択。この2択問題には、実はふたつの大きな問題が内包されている。ひとつは「うんこの味とはどういうものなのか?」。そしてもうひとつは「どうやればカレー味のうんこができるのか?」。
本紙では、この後者の疑問を解決する有力な情報を手に入れたので、その情報を元に、誰でも一度は口にしたいと思うであろう「カレー味のうんこ」を作ってみた。
本紙記者がその情報を手に入れたのは、ある演劇団体の集まりに筆者が参加したときのことだ。その集まりは結果として飲み会に発展し、筆者もその飲み会まで参加していた。遅れて参加したのが、その演劇団体の参加者のひとりであるK氏夫人のKさん(38)。Kさんは過去にダイエットをしたときの経験を語った。
「私りんごしか食べないダイエットを昔してたのね。そのときのうんこはりんごの匂いがしたよ」
「うんこもなんかすりおろしのりんごっぽかった」
「野菜しか食べないひとのうんこは緑になるらしいよ」
そこで筆者はひらめいた。カレーの材料となるもの―肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎ、カレー粉などだけを食べる人を集め、彼らの出すうんこを混ぜれば「カレー味のうんこ」ができるのではないかと。
去る6月9日、「カレー味のうんこ」づくりが始まった。事前に1週間、6人の有志にそれぞれ、たまねぎ、りんご、じゃがいも、ハチミツ、牛肉、カレー粉だけを食べてもらった。カレー粉担当には大量の水の摂取も認めた。
それぞれ専用の容器にうんこを出してもらう。たまねぎ担当のA氏(仮名)のうんこは繊維っぽかったが、あまりたまねぎの匂いはしなかった。りんご担当のB氏(仮名)のうんこは、先のKさんの発言どおり、すりおろしりんごのような形状で、りんごのような甘みを感じさせる匂いであった。じゃがいも担当のC氏(仮名)のうんこは、普段我々がするような平均的なうんこに近かったが、匂いがいものような土臭い感じであった。ハチミツ担当のD氏(仮名)のうんこは、やはり固形物を摂取できていないためか、どろっとした粘り気のあるうんこであったが、どのうんこよりも香ばしかった。牛肉担当のE氏(仮名)のうんこは、普段我々がするうんこと変わりなく、うんこ臭かった。カレー粉と水担当のF氏(藤本氏)のうんこは、うんこ的には下痢のそれに近かったが、カレーのルーを彷彿とさせるほどよい粘り気とスパイシーな香りのある、非常に好ましいうんこであった。
容器のうんこを、鍋で混ぜ合わせる。まずたまねぎうんこを火にかけ、その後じゃがいもうんこを入れる。火が通ったら牛肉うんこを入れる。牛肉うんこにも火が通ったら、一度火を止め、カレー粉うんこを入れる。弱火で煮込み、10分経ったらハチミツうんこ(大さじ3)、りんごうんこ(大さじ1)を入れる。灰汁を取りながら弱火で煮込み続け、25分煮込んだところで、火を止める。
炊き立てのご飯にかけて食べる。3日目のカレーを彷彿とさせる、独特の食感。よく考えたらうんこを自発的に食べているのだという自覚と後悔。そして、誰も口にしたことがないものを食べているのだという充実感と達成感。意外とカレーっぽい気がするという感覚と、やっぱりこれはうんこではというアンビバレンスな感覚。それはやがて、よく考えなくてもやっぱりうんこを食べているという自覚に変わる。
後に残ったのは、激しい後悔と、腹痛と、6人分のうんこだった。