【特集】うんこアイドルグループ「ブリッ娘」の人気に迫る

 いま外資系CDショップのインディーズコーナーを中心に、ひそかに人気になっているアイドルグループがある。かわみゅう(川村優)、まーちゃん(志田磨綾)、ごっち(ゴリ藤本)の3人からなる「ブリッ娘(こ)」だ。彼女たちはそのライブパフォーマンスで、「うんこアイドルグループ」の名をほしいままにしている。
 「うんこアイドル」とは何なのか?真相に迫るべく、早速小倉ZIZIBABAで行われたライブに行ってきた。

 開場前のZIZIBABAは、年齢層も性別もバラバラの、さまざまなファッションに身を包んだ人々でにぎわっていた。ライブを心待ちにしていたと言う大学院生(23)に、ブリッ娘の人気について聞いてみた。
 「もうほんとなんていうか、一度観たら気になって仕方ないっていうか」
 「うまく説明できないんですけど、ほんとハマります」
 あまりに漠然とした答えであったが、ほとんどの人が「うまく説明できない」と言う。それだけにパフォーマンスへの期待は高まるばかりだ。

 19時12分。開演時間が若干時間が押したが、ライブが始まった。ステージ上の大きなスクリーンに「bricco」の文字が走ると、会場内のファンたちがいっせいに叫ぶ。そして、スクリーンが上がると、純白のドレスに身を包んだかわみゅうとまーちゃん、そしてブラジャー以外なにも身につけていないごっちの姿が。

 1曲目はブリッ娘の知名度を一気に上げた人気曲「ポリブクロ」。ダンスチューンに合わせてポリ袋のカサカサッとした音を鳴らすという、非常にシンプルな構成。それに合わせてかわみゅうが歌う。
 「馬、馬を刺し殺した/鳩、鳩を焼き殺した/南無!/無常/無常の日々」
 ファンたちが「無常!」と叫ぶ。その一体感たるや、とても筆舌に尽くしがたい。

 2曲目3曲目とハイテンションのダンスチューンが続く。まーちゃんの「大好きな人のことを想いながら聞いてください」というMCから始まった4曲目は新曲「I want to go to school」だ。学校に行きたくても行かせてもらえない、義務教育すら受けさせてもらえない悲しみをしっとりと歌ったナンバー。キャロル・キングを彷彿とさせるメロディアスな旋律が涙を誘う。

 ここまで観ていてなにが彼女たちを「うんこアイドルグループ」と呼ばせているのか、まだわからなかった。が、7曲目の「タンポン」のときに、ごっちに異変が起こった。歌っている最中に「ああ!出ちゃう!出ちゃいます!」と叫んだ。かと思うと、ごっちはなんと、ステージ上でうんこをした。
 「ブリッ、ブリッて!出ちゃう!出ちゃいます!」
 そういうととめどなくうんこを出すごっち。かわみゅうとまーちゃんは露骨に嫌な顔をして、ごっちを蔑む。

 「クソが!クソたれてんじゃねえよ!」
 「藤本さん生きてる価値もないですよ」
 そういうかわみゅうとまーちゃんの声が届いてないのか、
 「さっき食べたとうもろこしが、消化されないで、出てきます!」
 とごっちは出てくるうんこを逐一説明する。

 「くせえ!何食ったらそんなクソが出るんだよ!」
 「何で生まれてきたんですか?」
 罵倒するかわみゅう、まーちゃんと、出すごっち。

 それを観ていたファンは固唾を呑んでその様子を見守っている。ステージに緊張感が漂う。今までに経験したことがないほどの気まずい空気。気まずくて、臭い。うんこ臭い。

 気まずい空気を残したまま、3人はステージを去っていった。ファンたちは歓声を上げる。いったい何が起こったのかわからない。なんだったんだ今のは?今のがすべてパフォーマンスだったというのか?できることならもう一回観たい。何が起こったのか把握をしたい。あの緊張感は、とても気まずかったが、また味わっても構わない。

 いつの間にかブリッ娘の虜になっている自分に気づき、ZIZIBABAを後にした。