【特集】忘れてはならない:本当の我が子はどこへ
水槽から首を伸ばし、まっすぐに自分を見上げる一頭の亀。我が子だと信じたい。
しかし我が子ではないかもしれない。そんな葛藤の中、飼い主の河井さん(54)は大切な亀、ぽんたさんを見つめた。
事件があったのは1985年6月。福岡県北九州市内の元動物病院でぽんたさんが手術をうけた際、患蓄の取り違え疑惑が発生。山口県在住の岸田さん(仮名)の飼っていた亀、けろっぴさんが同時期に同院に入院しており、ぽんたさんと取り違えられたと考えられていた。しかし岸田さんは「この口元のゆるみはけろっぴに違いない」と主張し詳しい調査を拒否。取り違え事実確認や詳細は不明のまま、23年の月日が流れた。
河井さんは、「可愛い我が子の筈だが、ちょっとでも愚鈍なところが見えるとやっぱり我が子ではないのかもしれないと思ったりもする。そもそもうちのぽんたさんは(中略)美しい。事件をこのまま忘れてはいけない」と50分にわたってぽんたさんの魅力と特徴を説明。取材陣からは欠伸(あくび)と感嘆の溜息(ためいき)が漏(も)れた。
このように、発生から10年以上経つ今も事件と認められないケースは少なくない。ぽんたさんのように一見どうでもよいことも当事者にとっては大きな問題であり、見過ごすことはできない。
ぽんたさんに関する情報は、九州新報まで。