【特集】「名人をたずねて」 靴を履く名人の革さん(87)
今週から始まった「名人をたずねて」。一回目は「靴を履く名人」の革さん(87)に話を聞く。
革さんはいかなる状況下においても0.5秒以内でちょうちょ結びまでをフィニッシュとした完璧な靴の履き方をマスターしている。もともとは敵国が攻めてきたとき、素足で防空壕に避難したくないと思ったのがきっかけで、現在は120通りの履き方を会得している。
最も得意としているのが、仰向けの状態からバク転を加えて枕元の靴を履く「奥義・寝履き」である。素早さに加え、美しさも取り入れたまさに名人芸である。
バク転を加えた点に関して革さんは「これができたら理屈ぬきでかっこいい。モテるのではないかと思った」と照れながら教えてくれた。また、「いつ(敵が)来るかわからないので、本当に猛特訓しましたよ」と苦労話を語ってくれた。
最初から靴を脱がない、という極めて凡人が取る選択肢を選ばなかったところに名人の深みがある。